岩手県  猿ヶ石川水系    あの日のままで...    其之十四

                           写真と文 大石 喜久徳

猿ヶ石川のヤマメ。いつもの年なら婚姻色が出る頃なのに、今年は遅れているのかな...

 

 

 

【現実と矛盾...

 

今年も9月半ばを過ぎようとしている。

 

早いよな...。

 

これ、素直な実感である。

 

今シーズン、あらたまって釣りに行けたのは一度だけ。

 

山形、新潟を廻った二泊三日の釣行。

 

それ以外は仕事絡みの釣り。当然、丸一日釣りをすることは無かったが、何故か充実した釣りが出来た。

 

極端にデカいのは、釣れなかった。

 

数は、そこそこ...。

 

でも、それで良い。

 

いつもいつも自分が思うような釣りが出来たなら面白くない。

 

次に繋げる釣り。新たな夢に繋がる釣りが出来ればいい。

 

ただ、それだけ...。

 

引退後も、震災後も真剣に釣りを楽しむことは無かった。

 

なんかもう、別の次元のことのように思っていたからだと思う。

 

だからこそ、多くの出会いに感謝したい。

 

まだ、禁漁まで半月もあるのに、シーズンが終わったみたいな書き方だが、多分これが自分にとって今シーズン最後の釣りだと思う...。

 

出来るなら、もう一度くらい渓流を歩きたい。

 

現実と矛盾の悪足掻きなんだよね...。

 

 

 


7寸前後のヤマメは、ルアーに果敢にアタックしてくる 

 

8寸クラスになると、出方がかなりシビアになる。解禁からだいぶ虐められているからね


 

 

 

【河童と山女魚】

 

 

猿ヶ石川の水系も釣り歩いてから30年程になる。

 

昔は、ヤマメよりもイワナのイメージの方が強い。

 

そう想うのは自分だけなのだろうか...。

 

現役当時、色々な釣り雑誌の取材をしたが、年々ヤマメのヒットする数が増えていることを感じていた。

 

当時ヒットするのは、イワナとヤマメは半々といったところだが、今では、イワナの棲息する上流や沢筋にもヤマメが入り込んでいる。

 

いつもなら、ヤマメが10尾ヒットする間にイワナが2~3尾ヒットするのが多かったが、最近ではヤマメオンリーなんてことも珍しくない。

 

今回も、そのパターンだった。

 

朝一にヒットしたヤマメは、昔ならイワナのポイントから出た。

 

ヤマメの数は相当いるのか、ひとつのポイントから連続ヒットも珍しくない。

 

しかしながら、サイズがイマイチ...。

 

贅沢をいえば、あと一回りデカいと嬉しいんだけど...。

 

ミノーでも、スプーンでもバランス良くヒットする。

 

ポイントも河童が泳いでいても不思議ではない大場所もあるし、小さな落ち込みが連続しているポイントも多い。

 

丁寧に釣り歩けば、軽く半日は要する。

 

ただ、デカいのがヒットしない。

 

たまたま、この日ヒットしなかっただけったんだよね...。

 

 

 


瀬の流芯でヒットしたヤマメ。追い喰いのパターンで、テールのフックをがっちり喰っている

 

 

【ミノーかスプーンか...

 

 

自分の最近のパターン。

 

やっぱりスプーンの使用頻度が高い...。

 

なんといっても勝負が早いから。

 

でも、ここぞってポイントはミノーで狙う。

 

以前も書いたが、震災後から夙に老眼が酷くなりラインノットが辛くなった。

 

ルアーを交換する度にラインを結び直す。いささか面倒だが、慣れてしまえばこの方が楽になる。

 

以前というか、今でも面倒な時はスナップも使うが、なんかしっくりしない。

 

ラインだって、いまだにナイロンラインオンリー。

 

何もかも昔のまま。今風に変えようなんて考えもしない。

 

自分のスタイルからすれば、渓流ではショートキャストで狙うのが多いので、スプーンメインの場合6Lb。

 

多分、知らない人が見たらびっくりするんじゃないかなと...。

 

でもね、自分の釣り歩く範囲内の渓流はそれでも十分に釣れるんだから仕方ない。

 

まあ、タックルやライン、ルアーというのは各の好み。

 

基本があって無いようなもの。

 

色々なことを試すのも、また楽しみになるから...。

 

しかしながら、最も重要なことはフックだ。

 

どんな素晴らしいルアーでも、フックに問題があると...。

 

昔のルアーのフックって、今思えばとんでもないサイズだったんだよね。

 

未だにシングルフックに不安を持ってるアングラー諸氏。

 

針数が多いからって釣れる訳じゃないんだよ。

 

シングルフックだと、ルアーのロストが少なくてルアーが売れなくなる...。

 

昔からそう思ってるショップの皆様、大丈夫です。シングルフックに変えてもルアーはロストしますので...。

 

先入観とは、誠に恐ろしいものです。

 

 

 

 

猿ヶ石川支流。真剣に探れば半日は掛かる。しかし、それなりに釣り人も多い...

 

 

 

【今年もありがとう】

 

 

雫石の水害現場の宿を抜け出したのは、午前2時過ぎ。

 

前日の午前中も秋田県北部、米代川上流域で釣りをした。

 

二日目の半休である。

 

朝の気温は、11℃...。

 

8月下旬なんだけど...。

 

当初、どこの渓流へ行くか悩んだ。

 

前々日の朝、雫石の竜川でちょっとロッドを振ったけど、あの増水の後なのか全く反応無し。

 

いつもならイワナが出る堰堤下のポイントも無反応。

 

小さいが、ヤマメの狙える支流も無反応。

 

竜川一帯の流れから魚影が消えてしまった...。

 

この場所から一時間程度で移動出切る渓流は多いが、どこも魚影が心配だ。

 

特に、大雨の影響とお盆明けでもあり、どの渓流もかなりシビアな状況であることは間違いない。

 

こうした状況下で、どこの渓流に入るか...。

 

昔だったら、間違いなく太平洋沿岸の渓流に入るのだが、この時期だと、気仙川や盛川、甲子川辺りがベストなんだけど。震災後はロッドを出す気にもならない。

 

あの津波を経験してから、正直怖い...。

 

だから、今年釣りをしたのは日本海側が多い。

 

福島浜通りにも好きな渓流が多い。

 

宮城県北部、三陸沿岸の渓流も好きだ。

 

でも...。仕方ない。諦めている。

 

散々迷った挙句、選んだ渓流は猿ヶ石川一帯であった。

 

ここも、解禁当初から激戦区である。エサ釣りやテンカラ、フライやルアーとシーズン通して釣り人の絶えないフィールド。

 

平日でも釣り人が入る可能性が高いので、少し早めに向かった次第である。

 

案の定、狙ってたポイントには先行者の車が止まっていた...。

 

幾つかのポイントを廻ってたどり着いた頃には、白々と夜が明けて来た。身支度を整え渓流に入ったのは、宿を出てから2時間以上も経ってしまった訳だ。

 

いつものように、最初にセレクトしたのはスプーン。

 

予想では、かなり渋いかな...。と思っていたが、難なくヒットした。

 

なんか、急に気が抜けた感じである。

 

ポイント毎にルアーを替え、いつものように大雑把に探ると適当にヒットする。

 

こんなものか...。

 

でも、これが今シーズンラストの釣行かと思うと、なんか虚しさが残った。

 

来年は、休み貰えるかな...。

 

ちょっと早いけど、今年もありがとう。

 

来年も宜しくね!

 

 

 

 

稲穂の垂れ具合で今年のシーズンも終盤だなと感じる。来年も頑張れるかな...


 

 

タックル

 

ロッド:オリジナル 5ft      ルアー:TROUT JAPAN

                         スプーン   

リール:カーディナル33          姫神   3,6g

 

ライン:6Lb                ミノー

                       タックルハウス

                                バフェット  SD55/S50

フック:シーズンSP-3~4

    SEASON-2~3