第二章   新たなる旅の始まり

青森県 大畑川  本州最果てからの再始動...。   其乃壱

                           写真と文 大石 喜久徳


【旅の始まり】

 

もう二度と原稿なんか書くつもりは、正直無かった。

勿論、現役引退を決めた時から...。

 

しかしなかがら、誠に皮肉なものである。

2011,3,11を境に、自分を取り巻く環境が一変した。

 

あの、未曾有の大震災。大津波を目の当たりにして、32名の親族を亡くし

また、福島・宮城・岩手在住の多くの釣友をも亡くした。

 

とりわけ、岩手県陸前高田市の釣友S君は、熱心な自分の後援者だった。

2011,3,1。気仙川の解禁日。これが彼との最後の釣行になるとは思いもしなかった...。

 

思い出すと泣けてくるから、やっぱり止そう...。

 

あれから、2年。

あっという間の2年である...。


今年の降雪量は多く、赤滝へのルートも未だに閉鎖中。

 

露天風呂のかっぱの湯も、4月1日に再開の予定が

降雪の影響で、こちらも閉鎖中である。

 

大畑川の渓流釣りのベースとなる薬研キャンプ場も、残雪が凄かった。


【4月4日】

 

4年振りの下北半島。

 

旅の始まりは、本州最北端の渓流から始めたい。

常々、そう考えていた...。

 

幸か不幸か、八戸の釣友から仕事の依頼が来た。

自分が引退してから、毎年のように八戸から三沢近辺の仕事を紹介して

くれる恩人である。

 

震災前は、かなり儲けさせてもらった。

今は、あまり儲けられないのが目下の悩み...。

でも、贅沢は言うまい...。

 

仕事と称して、大きな顔で出かけたのはいいが、レインウェアーからグローブ

ウェーダ―からシューズまで一式積み忘れた...。

 

まぁ、いつものことである。

シーズン初期は、浮かれすぎて忘れ物の常習者のレッテルを貼られているから...。

 

前日は、薬研温泉で一泊の接待を受け、明日に備え飲酒は程々にした。

 

一夜明け、天気は曇り。

まだ明け切れぬ夜明け前の朝風呂を済ませて、出発の用意である。

 

宿を出たのは、午前5時前。

ようやく山並みの稜線が確認できる明るさだ。

 

今年2度目の釣り。

いや、正確には今年の初釣りである。

前回、2月に北上川でロッドを振ったが、僅か10キャストで心が折れた...。

ガイドどころかラインまでガチガチに凍てついた状況では、止むを得まい。

 

始めに入ったポイントは、以前アメマスを釣った場所である。

やはり、ゲン担ぎは大切!

訳の分からないポイントよりも、多少は気が楽になるもの。

とはいっても、水温を計ると4℃。

 

無理かな...。

 

これが本音だ...。

 

その昔、Gijieの解禁取材で、水温2℃でヤマメを釣ったことがある。

しかし、丸一日釣り歩って一尾のみの釣果。散々だったな...。

 

でも、アメマスなら何とかなる。

そう、自分に言い聞かせてキャスト開始した。


【ボウズじゃ無くて、引き分け!】

 

しかしながら、延々キャストするも、追ってくる魚影さえ見えない。

虚しさばかり増幅するばかり...。

 

2度3度とポイント移動を繰り返したが、一向に無反応である。

解禁日には良いサイズが出たらしいとの前情報もあったのに...。

 

でも、こればっかりは仕方ない。

 

どんな釣りでもそうだが、そう簡単に釣れるのでは面白くない。

 

自分の知りえる知識の限りを尽くしてノーバイト、ノーヒットである。

潔く負けを認めたいところだが、アングラーは何かしら屁理屈を言いたい。

 

いわゆる負け惜しみってやつだ。

 

自分もその類が好きで、いつも負け惜しみばかり。

 

それが自然であり、人間として当たり前のこと。

 

いくら、奇麗事を並べても所詮は、釣りに嘘は必要ないし、釣果自慢したところで

豪くもなんともないじゃないかと思う。

 

そんなこんなの連載再始動...。

 

これからどうなることやら...。

 

まったく、先が思いやられる。

 


タックル

 

ロッド:UFM TROUT PLUGGING SPIN

 

リール:スピニングリール

 

ライン:6Lb

 

ルアー:TROUT JAPAN

    オロフレ、ヌカンライ

 

    スプーン

    雷神 8g

 

フック:SEASON-6

    ミノーブラック-6

    ミノーシングル-5

 

       シーズンSP-5~6

青森県/大畑川

 

大畑町漁協

 

日釣り券  400円

 

現場売り  500円